サーファーズイヤー 手術

サーファーズイヤーは、長年真面目にサーフィンに取り組んできた人へ勲章のようなもの。
寒い冬でも欠かすことなく海に向かい、
真摯にサーフィンと向き合ってきた人への勲章のような病気。
だけど、
正直、そんな勲章要らない!
水抜けの悪さ、偏頭痛、難聴・・・・・
こいつを患ってしまうと本当にきつい。

サーファーズイヤー
(正式名称は外耳道外骨腫、exostoses of external auditory canal)は、外耳道に長期間冷水刺激が加わることにより、
骨部外耳道の骨増殖性隆起が生じた状態を指します。
古くから潜水夫や、頻繁に水泳をおこなう者に多いことが知られていましたが、
特にサーファーに好発することから1977年に Seftel によって命名されました。
サーファーズイヤーは、水上、水中スポーツ愛好家、職業ダイバーに多く生じます。

簡単に説明文を載せてみたけど、
自分の中しっかりと「サーファーズイヤー」の名称がインプットされたのは1980年代が開けた頃だったろうか?
南アフリカのpro surfer Shaun tomsonがこの病にかかりイヤープラグの必要性を説いていた、
そんな記事を当時のサーフィン雑誌で目にした時だった。
南アフリカ、J-BAYあたりは南極からの冷たい風がウネリを作り、水温も相当に低い。
サーファーズイヤー育成にはうってつけの環境といえる・・・・
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shaun tomson in bustin’ down the door.

まさか自分がそんな病を患うことなど想像もしなかったけど、
10年ほど前、
外耳道は針の穴ほどに狭まり、
難聴が始まり水抜けは悪くひどい偏頭痛に悩まされることとなった。
当時、
同じ悩みを持つ友人等から僅かながらの情報をかき集め、
船橋にある病院で手術をした。
特に悪い右耳のみの手術で5日間ほど入院。
術後の経過も良好で、
1ヵ月後サーフィンを再開できた。
そこから10年近くが経過、
私の外耳道は再び閉塞してしまい、
右耳は99% 左耳は95%の閉塞状態との診断を受けた。
要は100%で完全閉塞、
つまり両耳とも限りなく完全閉塞に近い状態ということ。
「かなりやっかいですわ!
コンテストで言うなら
WCTのベスト2スコアが9.9ポイントと9.5ポイントということ。
これをひっくり返すにはケリースレーター級じゃないとムリでしょう?
でも大丈夫です。
私ならできます。
絶対に2週間後には完全な状態で海に戻しますから安心してください」
こんなサーファーチックな説明をしてくれたのは
宮崎大学病院で耳鼻咽喉科医師として活躍する中西先生。
特にサーファーズイヤーに関しては
多くの手術経験と知識を持つ先生。
カリフォルニア、サンタクルツの病院に勤務する
サーファーズイヤーの権威である医師(名前忘れた)を師に仰ぎ、
「サーファーとして生きてきて耳鼻科医になり、
サーファーズイヤーというサーファーにとっての難敵と出あいました。
日本にもこの病で困っているサーファーは少なくないのです。
日本全国、自費で無料クリニックに出かけ多くのデータを取ってきました。
サーファーズイヤーの症状に悩むサーファーは少なくないです。
高齢でもサーフィンを楽しむ人が増加している現在、
その症例は更に増加していくことは簡単に想像できます。
サーフィンは最高じゃないですか?
自分もやっているからそのことはよく判ります。
他にたとえようがないほど最高のものです。
それを楽しく続けるための役に立ちたいと思います。
ある種、それが自分の使命でもあるように感じているのです。」
入院前、
夕食を共にして、
病状、手術、入院等についての説明を受けた際、
先生からそんな言葉をもらった。
そういう崇高な志を持ち、
プロダクツを作り販売する、
そんな人も減少の一途のサーフィン業界をみるにつけ、
先生の言葉は十分に刺激的で感動を覚えた。
一見、クールで、
テレビドラマの医師役とかに簡単に抜擢されそうな感じの人だけど、
以外や、その心持ちは熱くて多くの感動を得た。

さて入院からの手術、
手術日の1日前に入院、
いろいろな検査を受ける。
血液検査から尿検査、心電図、X線等々・・・
全身麻酔に耐えうるかどうかの検査。
異常は無く翌日手術。
麻酔薬入りの点滴で意識は遠のき、
マスクを装備すると完全にノックアウト。
両耳手術に要した時間は6時間弱。
「かなりしんどい手術でした。
けど、良い経験になりました。」とのこと・・・
自分では全く意識の無い状態だったので何がなにやら解らないけれど・・・・・
ちょっと写真とかUPしておいたほうが解り易いかも・・・

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上左が術前の右耳外耳道 99%の閉塞状態、穴はほぼ無い。
右が95%閉塞状態の左耳外耳道、かすかな穴がある程度。
下が術後、完全開通した外耳道。
ここまで完全開通させるにはそれなりの経験と技術が必要です。

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とりあえず5日間の入院。
手術もカンペキに終了。
10年ほど前、
サーファーズイヤーで悩む友人同士で共有していた情報、
今思うと、
それはあまりにお粗末な情報で、
もっともっと多くの情報が必要だったと思います。
今回、
サーファーズイヤーのスペシャリスト中西先生に出会い、
それなりの情報を得て、
手術を受け、
本当に助けられました。
日本各地にこの病で悩んでいるサーファー諸君は多いと思います。
絶対的な専門知識と豊富な手術経験、
そういうドクターに出会うことが快方への近道であることは疑う余地がありません。
私に連絡いただいても結構です。
もう少し詳細な経験談をお話できると思います。
早めの除去手術のほうが良いようです。
外耳道が100%近い閉塞具合だと、
それなりに手術の難易度も増しリスクを伴うこともあるようです。
悩んでいるのであれば、
まずは診断を受け、
手術の必要あれば早めの実行がよろしいかと思います。
中西先生、
5月末には学会があって上京、
その足でここにも来るようなので、
時間があれば無料診断クリニックの準備もしようかと思います。
困っている方いたら連絡をください。

サーフィンは最高です。
生涯をかけて楽しむことができます。
そこに弊害が立ち塞がりそのいく手を阻むのであれば、
それは取り除いてあげるべきです。
医師としてサーファーズイヤに立ち向かうこと。
それはサーファーでもある私の使命だと思うのです。

Thanks Dr. nakanishi. you are real legend !!!

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これから残りのサーフィンライフ。
そこを切り開いてくれた中西先生の努力に報いるためにも、
「どうやってサーフィンと向き合い、生きていくのか?」
それが自身に課せられた使命なのかもしれんな・・・・
そういえば中西先生、
「私が医学生として宮崎に出てきた頃、
初めて購入したWETはWESTだったんですよ・・・・」
そんなこといっていた。
かえすがえすも人の縁とは奇妙なもので、
それを世界中にリンクさせている媒体サーフィンってほんとに素晴らしいものだと思う。
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dr.nakanishi early 2000’s.
おまけ
今回の宮崎入りにあたり空港への迎え、病院送迎、いろいろお世話になった椎葉順の実兄、タカシ君、
本当にお世話になりありがとうございます。
つくづくもプロサーファーなんて人種、
自分の快楽のためにだけ生き、
全く何の役にも立たないことを再確認しました。
あ、JUNもバリで大事な試合があっての留守だったのだから仕方ないよね、あはは・・・・・

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takashi shiiba solid goofy footer! Thanks Man!